2021年1月11日 「今月の聖句」
今月の聖句は、ルカ福音書10章27節の「心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい、隣人を自分のように愛しなさい。」です。
この聖書の箇所の前に、イエス様とユダヤ教の律法の専門家とのやり取りがあります。専門家はイエス様を試そうとして問いかけます。「先生、何をしたら、永遠の命を受け継ぐことができるでしょうか。」
この問いかけにイエス様は直接お答えにならず、逆に律法の専門家に「律法には何と書いてありますか。あなたはどう読んでいますか。」と聞きます。すると、律法の専門家は答えます。「『あなたは心を尽くし、いのちを尽くし、力を尽くし、知性を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい』、また『あなたの隣人を自分自身のように愛しなさい』とあります。」と。
その答えに対して、イエス様は「正しい答えだ」とおっしゃいました。つまり、イエス様はもちろんのこと、律法の専門家も、律法の中で最も重要な教えは何か、何が神さまの求めておられることかを分かっているわけです。けれども、イエス様と律法の専門家では、この教えについて明らかに違うところがあります。それは、この教えを、自分の生き方に、自分の人間関係に、具体的にどのように適用し、活かしているか、という点です。
律法の専門家の答えを聞いて、イエス様はおっしゃいました。「正しい答えだ。それを実行しなさい。そうすれば永遠の命が得られる。」と。
イエス様は律法の専門家の答えを、正しいとお認めになりました。しかし、その後で「それを実行しなさい」とおっしゃいました。それは、裏返して言えば“あなたの答えは正しい。あなたは律法の中で何が重要か分かっている。だけど、その教えを実行していないです”と、イエス様は指摘したことになります。
毎朝の朝礼では、今月の聖句を唱えますが、イエス様がおっしゃるように、私たち一人一人は、この聖句を“唱えるだけ”でなく、“実行していくこと”を大切に、この一月を過ごしていきたいと思います。