2020年6月11日 「今月の聖句」
6月の聖句は、「落ち着いた生活をし、自分の仕事に励み、自分の手で働くように努めなさい(そうすれば、外部の人々に対して品位をもって歩み、だれにも迷惑をかけないで済むでしょう)。」(テサロニケの信徒への第一の手紙4章11節)です。
テサロニケ(現ギリシャ)は、ローマ帝国の属州マケドニアの州都で、商業の盛んな港町でした。パウロは、第2回目の伝道旅行でテサロニケを訪れ、人々にイエス様の教えを伝えました。パウロの人気は高く、多くの人がイエス様の教えを信じるようになり、教会が設立されました。しかし、そうした活動の成功をよく思わない一部の人たちの妨害を受け、パウロはテサロニケを追い出されてしまいます。その後もパウロはテサロニケの人々のことを気にかけ、信徒たちが迫害を受けながらも信仰を強め、教会を守っていると聞き、人々に感謝の気持ちを述べています。
今月の聖句の箇所は、パウロがテサロニケの信徒たちに送った、励ましの手紙の一文です。テサロニケの信徒に宛てたものですが、それは、イエス様の教えを生きる私たちに向けられたメッセージでもあります。「落ち着いた生活をし、自分の仕事に励み、自分の手で働くように努めなさい。」この言葉を、自分自身に置き換えてみると、どうでしょうか。私たちは、問題に行き当たると、悩んだり、不安になったり、行き先を見失ったりします。特に、新型コロナウイルスの流行という大きな困難に直面している今、誰もが経験したことのない事態に、心が乱れることもあるでしょう。
そんな時にこそ、この聖パウロの言葉を思い出したいものです。神様のお恵みを信じて、自分の力で、できる限りのことを進めていきなさい、という力強いメッセージに聞こえるからです。周りの人への優しさや思いやりを忘れず、何事にも誠実に取り組むように、と私たちの背中を押してくださいます。
(昇降口で、私たちを見守ってくださるパウロ様)